作: sakura kokoro
絵: kanon
第一章「学ぶ」
さくらは 高校3年の受験生
進路のこと 友人関係 親からの圧力 好きな人のことなど
頭の中は すでにパンパンになっているよ。
今夜も遅くまで 受験勉強をしていたけれど
いつの間にか 机の上で 眠ってしまいました。
「さくら 起きて!」
「あれ 誰かが私を呼んでいる。」
起こしてくれたのは 四葉のクローバーの風(ふう)でした。
「さくらはいつも帰り道で ぼくたち四葉のクローバーを探していたよね。」
「知ってたの? でもこんなにたくさん四葉のクローバーがあるなんて、全然 気がつかなかったな? どうしてだろう?」
「それはね! さくらの目線がいつもの目線と違うからだよ。」と言われて、さくらはハッ!と気がついた。私は、いつのまにか...ロップイヤーラビットになっている。
「さくらが人間の目線で見ていた時は、高い目線でぼくたちを探していただろ?だからなかなか見つからなかったけれどロップイヤーラビットの目線は、とても低いからこんなにたくさんの四葉のクローバーを見つけられたんだよ。」
「そっか、いつも同じ目線でものを見るんじゃなくて、ちょっと見方を変えるだけで見つかるものってたくさんあるんだね。」
「私ね、今いっぱい悩んでることがあるんだぁ。」
「進路のことでしょ?」「ふうは何でも知ってるんだね」笑いながらふうは話し始めました。
「それじゃあ!これからさくらの悩みをひも解いていこう。」
「例えばね。ぼくたち自然の中で生きている雑草は、春から夏になると 思いっきり生えてくるんだ。だからといって、誰もそれを止めたり、抜いたり、枯らしたりもしない。やがて秋から冬が来て、雑草は枯れてしまい
土の中でまた次の春を待つ。これが自然の流れなんだよ。
でも、さくらの家の庭に雑草が生え始めたらどうする?
きっとお母さんは、1本ずつ丁寧に抜いていくよね。
それはなぜかというと庭をきれいに見せたいという思いの中に、花はきれいだから好きだけど雑草はきれいじゃないから嫌いなんだ。
ここがポイントだよ!
自然界には好きとか嫌いはないんだ。花も雑草も命ある植物だから、いつも一緒に共存している」
さくらは きょとんとして聞いていました。
「不思議でしょ」
「さくらが花だとしよう。さくらが『思うがまま』に生きたいと思うことは、自分の周りに雑草が生えてきてもお構いなしっ!てことになる。でもね...さくらの周りに雑草がいっぱい生えてきたらどう?
さくらはせっかく綺麗な花を咲かせてもちっとも輝かないよね。だから、さくらの周りの雑草をちょうどいい具合に『まびいてやる』とさくらの存在がより大きくなり輝いて見えるんだ。」
「ぼくたちが歩く道は、自然の流れそのままだけど...さくらたち人間が歩く道は、自然界にいろいろと手を加えて出来ている。
自然とは、休まず自然のままに日々を過ごし...
人間の歩く道は努力しないと、保たれず崩れていくよ。」
「いいかい...遊びたいから...眠りたいから...とずっと自然に身をまかせていたら...さくらの住んでいるこの町は、この地球は、どうなってしまうかな?」
「そっか...みんなが思うが侭だけで生きていくと、この地球は大変なことになるんだね。だから私たちは、しっかり今!学ぶ!必要があるんだね。」